No	タイトル	時間	試　聴
1	国際キャバレー	1:00
2	BananaMoon	1:00
3	海辺まで(for Chris)	1:00
4	テゲテゲでいこう	1:00
5	雨上がり	1:00
6	Moonlight	1:00
7	BlueMoon	1:00
8	つりにいくよ	1:00
9	FlyFisher	1:00
10	海の見える丘	1:00

　当時僕が中学校１年生の頃、某楽器店にディスプレイしてあった黒光りのドラムセット欲しさに、思春期の欲望を結集させ生唾のみながら毎日通いつめたという、絵に書いたような健気な時期があった。毎朝新聞配達をしたりして、少ない小遣いを貯め、やっとドラムセットを独り占めできる日がやって来た。

　その日は、部屋と玄関を行ったり来たりでドラムが運び込まれるのを心待ちに、軽トラックでやってきた楽器店のお兄さんは、何を隠そう「海畑」のＳＷＥＥＴ（奄美＆甘味）ボーカリスト榊　義弘さんだった。当時の榊さんが毎回コンテストイベント等で奄美を代表する有名なシンガーソングライターなどと知らず、僕にとっては、とても気のいい楽器屋のお兄さんという存在だった。

　それから２０年後、僕は現在ライブをやれるお店を営んでいる。そして、そのステージにはシンガーソングライター榊さんの続きがあった・・・本人率いるバンド「海畑」。そんな榊さんと今、同じ空間を共感できることに不思議な感覚と何かありがたさを感じたりもする。バンド名でもある「海畑」は「イノー」と読み、島の言葉で潮の引いたサンゴ礁のリーフに現れるタイドプールのこと。メンバーに Vo & G 榊　義弘をはじめ、Ｇ 川畑博之　Ｂ 松田　巧　 Ds 仲谷大吾　以上４名で結成するＦＩＳＨＥＲＭＡＮ‘Ｓ　ＢＡＮＤ！　

　突き抜ける青い空、そそぐやさしい風、凪いだ海に月明かりの橋が架けられる情景を「音を見せる」ということができる海畑のサウンドは、決して周りにぶれず凛として存在する島の自然の如く、またそれを愛する彼らだからこそ成し得る技かもしれない。

　近年、島の音楽シーンがベクトルの模索と少しずつ温まりをみせる中、トラディショナルなものとはまた別に島ンチュに心地いいリアルな島サウンドを届けてくれる「海畑」。見る度、聞く度、何か自分の中のやさしい気持ちの存在に気付かされ、そのことにホッとする。　

　そんな幅広い世代の心を包む「海畑」のファン待望！ありがたくもＣＤと言う物質になり、僕もまたもうひとつ独り占めすることができた。いつもより少し島の景色が変わって見えたり、いつもより少し遠くへロングドライブになったり、それは海畑ファーストアルバム「ＩＮＯＯ」を聞きながら・・・